〜Only A Belial Good Enough (ベリアルさえあればいい)〜

“ちゃんと作ればちゃんと鳴る”を確信しています。自信を持って言えるのは100本以上製作してきて、鳴らないギターが1本もないからです。

基本とポイントをしっかりおさえて、手間をかけてしっかりと作れば
まるでお寿司や日本料理のように素材の味を十分に味わえるんです。

私がギターを作り始めた理由は簡単です。私自身が所有していた40年代〜50年代のギターと現代のギターの“鳴り方”の差を明確に感じてしまい、自分の理想の音やレスポンス(弾き心地)を具現化するには自分でギターを製作しか道がなかったからです。有名メーカーのギターに最高級パーツを付けて改造したり、こだわって様々な工夫をしましたが納得のいく音にはたどり着けませんでした。ストラディバリウスのように塗装や製作過程に秘密があるのでは?このギターのここがこうだったらいいのに、フレットの打ち方も改善できるず、などたくさんのアイディアが溜まってしまい、もう自分で作るしか選択肢が残っていませんでした。

とはいえいきなりギターを作るのではなく、木への敬意を込めてまずは5年ではありましたが家具作りで木工や刃物の基礎を修業しました。
ギブソンも元は家具屋さんからのスタートだった気がします。

その時に培ったノウハウで、音にとって大切なこだわるべきポイントは徹底的にこだわり、簡略化&効率化できるところは独自の工程を生み出しました。その事でOEMではないシェラック塗装の正真正銘のハンドメイドのギターとしてはあり得ない低価格を実現しました。


ベリアルは“鳴り方”が違います。
オールドギターのような豊かな倍音を伴いながら“音に包まれるように”“音が上から降ってくるように”というギター全体が鳴る感覚を理想に、私が所有してきたオールドならではの“裏板から鳴ってくるような”独特の感覚を目指してきました。

楽器屋さんの“弾き込めば鳴る”は半分以上営業トークです。いいギターは作った瞬間から鳴ります。弾き込んでいくごとに木が馴染んできて、角が取れたり味が出たり、深みが出たりしていくものです。

太目のネックもベリアルの特徴です。ネックの木材の質量は音に大きな影響を及ぼすという考え方から基本的に50年代くらいまでの太目ネックを推奨しています。形状もCNCで削り出したような直線的なものにしないことで、ピタッと自然に手に馴染むベリアルのネックは好評を得ています。長年数100本のギターを弾いてきた私の手の感覚を大切に削り出しています。もちろんお客様の好みに合わせて実際にフィッテイングしながら削っていきますので、じっくりディスカッションさせていただきます。

宮本武蔵ではないですが、一刀入魂!!
私が木材に刃物を入れる際に明確な音のイメージがあります。仏像を彫るように私の想いが木に宿るのでしょう。
ですので私は製作途中の木材は他の誰にも触らせません。

ベリアルにはベリアルにしか無い音がする。それはそういうことだと思っています。現代の効率化重視の世界では笑われてしまうかもしれませんが笑。


オールドギターや高級ギターをたくさん持っている人達こそ、ベリアルを弾いた時に唸って下さいます。
ベテランギター製作家の方からも“哲学を感じるギター”だと言われました。

日本の音楽シーンを作ってきた、大御所スタジオミュージシャンからも
“十分だよ”という意味深い感想をいただきました。
つまりプロの現場で十分使えるということですね。

実は“Berial”とは悪魔の名前です。
ブルースを看板にギタリストとして生きてきた私からのメッセージとして“悪魔に魂を売り渡す覚悟”を持って私の作ったギターを弾いて欲しいというものです。ちょっと大げさですが(笑)、“取引き(契約)”用にロゴに羽根ペンをデザインしています。

そして、私の演奏者側からのこだわりの一つとして、“ギターは道具であるべき”というのがあります。“道具として遠慮なく使える価格”=“相棒として弾き倒せるギター”なんです。傷だらけになってもそれは自分の歴史になりますし、より愛着も湧きます。弾き手の想いや癖が染み込んで唯一無二のギターに育っていきます。
弾いてもらってこそギターは完成するんです。
あまりに高額なギターは大切にしてしまいますもんね。

オールハンドメイドでの低価格実現するために、工程の工夫やオリジナル治具、塗装手順など手を抜くことなく作業のスピードをアップする作り方を探求してきました。その中で、分業制や工場生産では絶対に得られない、一人の人間がすべてを作ることの大切さを実感しました。


フェンダー、ギブソン、Martinなどの大手メーカーの値上げが激しいこれからの時代、質のいい国産ギターは必須だと思います。
大手メーカーの半額以下で、ハイエンドなハンドメイドギターが手に入るなら最高ですよね。
ベリアルの音と価格のバランスは“もはや反則”と言われています。
材料や塗料、工具なども値上がりしていますが限界まで低価格にこだわっていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

試奏ご希望の方はお気軽にギャラリーまでいらして下さいね。
リペアやフレット交換も随時受け付けています。
製作者の岩下はギタースクールも主宰しておりますので、予約制にさせていただきますがご了承下さい。下記の問い合わせフォームからご希望などを添えてご連絡下さい。